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⑥ アーユルヴェーダとヨガの道



ヨガの最終目的は、モークシャ。

日本語では解脱と訳されるが、シンプルに言うと真の自由を得ることです。


そのためにヨガの教えには、日常で守るべきことや気をつけることが定義されています。


暴力をしないことやうそをつかない、貪らない、慎む、盗まない。

清潔にすることや知足、自己鍛錬、経典の勉強、神への信仰。

そして、皆さんの馴染み深いヨガのポーズ、アーサナ、呼吸法や瞑想などの方法が長い歴史の中受け継がれています。


アーユルヴェーダ最古の古典『チャラカ・サンヒター』には、日々行うといいことがあげられています。


健康を増進する方法として、ハーブの投与やオイルマッサージなど体に直接働きかけるものと同じように、サットブリッタ、こころに良い日々の行いが伝えられています。

このサットブリッタは先にあげたヨガのヤマ・ニヤマと共通することがあります。


アーユルヴェーダの学びの中で、ドーシャ理論やハーブの勉強をしながら、この行動のラサーヤナの話を聞き、更にアーユルヴェーダの魅力に引き込まれていったのを今でも覚えています。



サットブリッタ


- 常に正直であり、真実を語る


- 他人を傷つけず、思いやりをもって接する


- 優しい話しかたをする


- 過度な緊張や怒りから解放される


- 無理をせず、穏やかで平安である


- 心から尊敬すべき人を尊敬する


- 瞑想を実践する


- 年長者や高い知恵を持った人に仕える


- 清潔にする


- ものごとをシンプルにする


- 定期的に寄付をする(知識・食物なども含む)


- ヴェーダを勉強する



などが、上げられています。


 


「清らかな精神」こそが真の健康確立に必要



アーユルヴェーダは「インドの」と特定された美容法や健康法と言ったイメージがあげられますが、

実際は、生命根源の叡智が何千年もの時の中受け継がれてきている、生きとし生けるものにとって欠かせない叡智です。


ヨガも「インドの」とか何やら難しいへんてこなポーズをするイメージや宗教的なイメージが今でもありますが、

ヨガ道を歩んでいる人には理解されているように、また今のヨガが文化として健康法として定着しつつある中で、その深淵な叡智は私たちを根源へと導いてくれていることを実感してる方も多いでしょう。


人間は、この目に見える体と共に、内側で絶えず動いている心、そしてその奥に変らず存在している魂の3つで作られており、そのどれかが欠けても存在できないし、それらが調和してないと心や体に影響がでてきます。


なのでヨガとアーユルヴェーダどちらの叡智も欠かせません。



アーユルヴェーダの定義として、最古の古典である『チャラカ・サンヒター』にはこうあります。

「アーユルヴェーダとは、有益な人生と無益な人生、幸福な人生と不幸な人生、

 人生にとって有益なことと無益なこと、人生の長さ、人生そのものが説かれるもののことをいう。」

(チャラカ・サンヒター 総論 第1章)


また、アシュタンガ・フリダヤサンヒターにはこうあります。

「生きとし生ける者すべての行為はすべての生きとし生ける者の幸福のために。」

(アシュタンガ・フリダヤサンヒター 総論 第2章)



アーユルヴェーダはいわゆる人間の病の治療だけを目的としていなません。

我々が与えられた生をよろこびあふれ幸福で満たされて生きていくための叡智が余すことなく受け継がれています。


ヨガの道を歩みながらふと立ち止まる時、人生という道のりの中でふと立ち止まった時、道が見えなくなった時、アーユルヴェーダの叡智を取り入れてみたらどうなるでしょう?

きっと自らの道が明るく照らされ、真の自由への道をよりスムーズに歩めると思います。



アーユルヴェーダとヨガは切っても切れない兄弟のような関係と最初のコラムに書いきましたが、あれから半年が経ちアーユルヴェーダとヨガの道を歩みながら、最近ではこの兄弟が双子なんじゃないかと感じています。

表現の仕方に違いはあるけれども、どちらも出所は同じ魂。どちらも欠かせない深淵な叡智です。


 

これからもヨガやアーユルヴェーダの叡智が光となり、私たちを見守っていることを感じ、感謝し、日々の生活に活かして行きたいと思います。

そして、皆さんや皆さんの周り、生きとし生けるすべてを照らす叡智が変ることなくここにあること、すべてに存在することをこころにとめ、そのしあわせをわかちあって行きたいと思います。



毎回のアーユルヴェーダコラムを楽しみしてくださりありがとうございます。

どうぞこれからもヨガライフ、アーユルヴェーダライフ、そしてユアライフを楽しまれて下さい。



締めくくりに私にアーユルヴェーダの叡智を授からせて下さっているクリシュナ先生のことばを書かせて頂きます。


「アーユルヴェーダでは前向きに生きること、つまり心の持ち方を非常に大切にしています。

 すべての行いをしているときに、精神の状態がどうあるかということが

 とても重要だとアーユルヴェーダでは説いています。

 「清らかな精神」こそが真の健康確立に必要な要素だと。

 アーユルヴェーダの願いは、生命の幸せです。

 アーユルヴェーダに触れることで幸福な寿命を手に入れて頂きたいと思います。」


(『インドの生命科学 アーユルヴェーダに学ぶ、真の沖縄の健康づくり』クリシュナ・ウパディヤヤ・カリンジェ)



(momoyo先生コラムより抜粋)






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